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京都税理士法人が発行する、経営にまつわる税務情報を発言いたします。

経理処理 複雑な取引は原則へ2018.07.04

経理処理 複雑な取引は原則へ

●経理処理の大原則は貸借を一致させること
 本来複式簿記は資産の管理から始まりました。新たな資産が増えた場合、購入のための資産が減ったと考えます。車の購入を例にとると以下となります。
 (車両100/預金100)
 しかしそのうち商売を始めるとそうはいかなくなりました。商品の仕入れは上記の資産の購入と同じです。
 (商品100/預金100)
 売った場合が問題です。仕入れた商品を200で売った場合、以下となり貸借が合いません。
 (預金200/商品100)
 そこで考え出されたのが損益勘定です。
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●現在の経理処理
 現在では商品の仕入れは「仕入」と言う損益勘定で処理し、売った場合は「売上」と言う損益勘定で処理しますが、元々は上記の考え方が原則です。
 そこで今でも売れ残った商品は在庫として資産に計上します。
 例えば2個仕入れて1個売った場合、現在の経理処理は以下となります。
 (仕入200/預金200)
 (預金200/売上200)
 (商品100/期末棚卸100)
 原則的な考え方では以下です。
 (商品200/預金200)
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●複雑な取引は原則へ
 複雑な取引はこの原則に立ち返ると間違いなく処理できます。
 定価500の新車を、従来所有していた車を100で下取りしてもらい、更に50値引きしてもらい購入しました。購入にあたって諸経費が48かかりました。差引振り込んだ金額は398でした。因みに従来の車の簿価は30でした。
 まず明らかな事実だけを貸借に記録します。新車は50の値引きなので450、支払ったお金は398、諸経費は48、古い車の簿価は30。増えた資産は借方、減った資産は貸方です。
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 貸借一致が原則ですから、差額は下取り車両の売却益70と言うことになります。

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