-
子供たちに自社株を渡したいと考えています。どんな方法がありますか?
売却するか、贈与するか、大きく2通りを検討してみましょう。
「売却」の場合は売主に譲渡税、買主に買い取り資金の準備の問題があります。
「贈与」の場合はもらった方に贈与税の負担が発生します。
①生前贈与
贈与でまず考えることは暦年贈与。
つまり、110万円の贈与税非課税の枠を活用し贈与を行う方法です。
とはいっても「会社設立時の発行価額で贈与」と簡単にはいきません。
現在の自社株の贈与は時価によって行わなければなりません。
ここで言う時価とは先にご紹介した評価方法によって決定していきます。
②誰に贈与?
相続人で子が3人いる場合で、とりあえず自社株を生前に減らしたいから3人均等に贈与…。
これでは株の所有が分散してしまいます。
後継者を定めその方に株が集中するよう贈与する必要があります。
③贈与はいつ行うべき?
生前贈与は死亡した日から3年以内に行った贈与は相続財産に含めて相続税が課税される
という落とし穴があります。
亡くなる直前にあせって贈与しても税金的には効果がないという事です。
また、一気に贈与を行えば贈与税の負担が大きくなる事も考えられます。
なるべく早めに計画的に行う事が重要になります。
④書面で贈与意思を証明する
実際に株を贈与することになった時には書面で形式を整えましょう。
きちんと渡す意思、受け取る意思があった事を贈与契約書に残す、会社に対して譲渡
承認申請を行う等々で後のトラブルを回避しましょう。
スムーズな事業承継、税金的に利口な事業承継のために、早めに時間をかけて対策する事を
お勧めします。 -
会社の規模によって株価が変わりますか?
会社の規模によっては自社株の評価に大きな差が出ます。
[類似業種比準価額方式による1株評価額1,600円・・・A]
[純資産価額方式による1株評価額3,000円・・・B]
①大会社1,600円(A)×100%=1,600円
②中会社(大)1,600円(A)×90%+3,000円(B)×10%=1,740円
③中会社(中)1,600円(A)×75%+3,000円(B)×25%=1,950円
④中会社(小)1,600円(A)×60%+3,000円(B)×40%=2,160円
⑤小会社1,600円(A)×50%+3,000円(B)×50%=2,300円
上記のように会社の規模によって①~⑤に分類され、差異は最大約140%となります。
なぜこのような差が生まれるのでしょうか?
同族株主が取得した株式は原則として会社の業績や資産の内容を株価に反映させる原則的
評価方式の「類似業種比準価額方式」と「純資産価額方式」があり、この二つの方式の
「併用方式」になります。
どちらかの評価方式へ比重が傾く事で上記の様な差が生まれます。
会社の規模は「純資産価額」「従業員数」「取引額(売上高)」によって5つの区分にされ
ます。
【会社規模】【評価方法】
------------------------------------------------------------
大会社類似業種比準価額
------------------------------------------------------------
中(大)類似業種比準価額×90%+純資産価格×10%
会(中)類似業種比準価額×75%+純資産価格×25%
社(小)類似業種比準価額×60%+純資産価格×40%
------------------------------------------------------------
子会社類似業種比準価額×50%+純資産価格×50%
------------------------------------------------------------
一般的に業績のよい会社の場合、類似業種比準価額の方が純資産価額より低くなります。
そのため「大会社」へサイズアップしていけば、類似業種比準価額の比重が高くなり評価額
は低くなる傾向にあります。 -
配当還元方式ってどうやって計算するのですか?
自社株は、「原則的評価方式」と「特例的評価方式」により評価されます。
このうち、特例的評価方式は少数株主等に適用される評価方法です。
特例的評価方式は「配当還元価額」という方法によって評価を行います。
配当還元方式とは、過去2年間の配当金額を10%の利率で還元(割り戻し)して株式の価額を
求めようとする方式です。
計算式は以下の通りです。
1株当たりの配当還元価額=年配当金額(注1)/10%×1株当たりの資本金等の額/50円
(注1)年配当金額は直前期と直前々期の平均額となります。
具体的な金額で計算してみましょう。
【例】
直前期の配当金額100円
直前々期の配当金額200円
1株当たりの資本金等の額500円
以上の金額を上記の計算式に当てはめます。
1株当たりの配当還元価額【15,000円】=年配当金額【150円】(注1)/10%×1株当たりの資本金等の額【500円】/50円
(注1)直前期と直前々期の配当平均額=(100円+200円)÷2=150円
少数株主は、株式の所有を通じて会社を支配する事はできません。
そのような少数株主は会社からの配当を期待する程度の価値しかない事となります。
そのため、上記のように配当金額を基に評価を行います。
配当還元方式による評価額は原則的評価方式に比べ低くなることが一般的です。 -
純資産価額方式ってどうやって計算するのですか?
自社株評価の原則的評価の一つとして純資産価額方式があります。
自社の保有する資産・負債を時価に評価して1株あたりの評価額を算定します。
具体的な金額で確認してみましょう。
評価する会社の貸借対照表をもとに時価評価を行います。
帳簿価額単位:万円
【資産】金額【負債】金額
現預金200買掛金500
棚卸資産300長期借入金4,000
土地3,000負債合計4,500
建物2,000
有価証券200純資産1,500
保険積立金300
----------------------------------
借方合計6,000貸方合計6,000
↓↓↓↓↓時価評価↓↓↓↓↓
時価評価単位:万円
【資産】金額【負債】金額
現預金200買掛金500
棚卸資産300長期借入金4,000
土地2,400負債合計4,500
建物1,000
有価証券400純資産300
保険積立金500
----------------------------------
借方合計4,800貸方合計6,000
時価評価の方法は相続税の評価額の算定と同様です。
・土地⇒路線価で評価・建物⇒固定資産税評価
・有価証券⇒評価時点の時価・保険積立金⇒評価時点の解約返戻金
時価評価した後の純資産価額を発行済み株式数で割り、1株あたりの評価額を算定します。
例えば発行済み株式数を1万株とすると、
300万円(時価純資産)÷発行済み株式数1万株=300円(1株当たりの評価額)
となります。
決算書上の簿価純資産は1,500万円あり、1株1,500円の価値があるように思えますが、時価
純資産は目減りしています。
時価評価により評価益が生じる場合には、含み益から法人税相当額を控除する事ができます。 -
類似業種比準価額方式ってどうやって計算するのですか?
自社株の原則的評価方式の中に類似業種比準価額方式があります。
自社の3つの要素(配当、利益、純資産)と同業法人の3要素を比較することによって株価を
算出していきます。
3つの要素の中でも「利益」は他の要素の3倍の比重が置かれています。
ですので、利益が低い年度は株価も低くなる傾向があります。
具体的な金額で計算してみましょう。
[例]
*評価会社は「小会社」とします。
*類似業種株価A:200円
<類似業種の1株あたりの各要素の金額>
B(配当):50円C(利益):100円D(純資産価額):500円
<自社の1株あたりの各要素の金額>
Ⓑ(配当):40円©(利益):250円ⓓ(純資産):300円
以上の金額を計算式に当てはめます。
A(200円)×{Ⓑ40円/B50円+Ⓒ250円/C100円×3+Ⓓ300円/D500円/5}×{小会社0.5}=178円
*Aは類似業種の株価(国税庁から発表されます)
*「×小会社0.5」は大会社なら×0.7、中会社なら×0.6
-
自社株の評価はどのように決まるのですか?
「いま会社の株はいくらだろう?」と思っても実際に自社株の評価を把握されている経営者
の方は少ないのではないでしょうか?
自社株評価の方法は大きく2通りに分かれます。
(1)原則的評価方式①類似業種比準価額方式
②純資産価額方式
(2)特例的評価方式配当還元方式
(1)原則的評価はオーナー一族に採用され、(2)特例評価は少数株主に適用される
イメージです。
この中から(1)原則的評価方式の「類似業種比準価額方式」と「純資産価額方式」に
ついて説明します。
①類似業種比準価額方式
自分の会社の「配当・利益・純資産」の3要素(比準要素)を上場企業のそれと比較
することで株価を算定します。
この配当・利益・純資産の要素の中でも利益については配当・純資産の3倍の比重があり
ます。つまり利益が株価に与える影響は大きいものとなります。
上場企業の株価が基礎となる為、一般的に景気がよければ評価額も上がり、不況となれば
評価額は下がります。経済状況によって自社株の評価額も上下する事となります。
基準となる企業の株価は国税庁HPにより公表されます。
②純資産価額方式
会社のB/Sを時価評価し、「資産」から「負債」を差し引いた「純資産」から算定しま
す。例えば決算書上は資産が大きく計上されていても、バブル期に購入した土地があり
時価で評価してみると含み損がありマイナスになってしまうような会社もあります。
原則的評価方式は、上記の2つの評価方式によって求められた評価額を9:1や6:4などの比重
をかけて併用して算定します。
-
病医院を開業しようと考えています。どのような支援をしてもらえますか?
・開業しても大丈夫か、やっていけるのか。診療所開業の現状について確認したい。
・開業には何を、どのようなスケジュールで準備していけばいいのか。
・開業に向けて取組んでいくときに重要なことは何か。
・金融機関から融資を受けたいが、どう交渉したらいいのか。
・開業形態(戸建て、建て増し、ビル診)のメリット、デメリットを検討したい。
・開業場所を選定したが、事前に診療圏調査をしたい。
・設備投資はどれくらいまでかけてもいいのか、必要な資金はどの程度か。具体的な事業計画の立て方を教えてほしい。
等々、開業にあたっての様々な疑問をご支援させていただきます。
税理士の専門分野以外については、適切なパートナーをご紹介させていただくことも可能です。
当事務所に何でもご相談ください。
-
いつから営業開始できますか?
ただし、事業を開始するには、取引先との関係で、登記簿謄本・印鑑証明・銀行口座などが必要となるケースもあります。登記簿謄本などは登記申請日から1週間程度で入手が可能です。
-
本当に資本金1円で会社設立ができるのですか?
ただし、設備費用や運営費、および仕入れ費用がかかるケースや、許認可の関係で、資本金が一定額必要な場合などがございます。その点、ご注意ください。
-
どのような会社実印(代表取締役印)を作ればいいのですか?
大体、直径14mm~直径30mmまでの印鑑だとお考えください。
よくある質問と解決策
京都税理士法人に寄せられるよくある質問をQ&A形式にまとめました。
経営の悩みやご相談など
お気軽にお問い合わせください
-
京都本社
〒601-8328
京都市南区吉祥院九条町30番地1
江後経営ビルGoogle MapTEL:075-693-6363
-
滋賀支社
〒525-0059
滋賀県草津市野路1丁目4番15号
センシブルBLDG ZEN6階Google MapTEL:077-569-5530