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自社株を会社に買い取ってもらうことは可能 でしょうか。
自社株を発行法人に売却することが出来ます。
オーナーが所有している株式の一部を買い取って欲しい、弟が持っている株を相続されては
困るから会社で買い取る、少数株主が所有している株式を買い取ってしまいたい・・・使用
する場面はいくつかあります。
注意点です。
①決算書上の配当可能利益までしか購入できません
むやみやたらと金庫株には出来ません。
会社の配当可能利益までが購入できる範囲になります。
②売主の課税問題に注意!
オーナーが金庫株にする場合、多額の税負担になる可能性があります。
株式の売却だから売主の税金は「(売却価額-取得費)×20%(復興税除く)」と
考えがちですが違います。
会社の資本金等の額(=もともとの額面金額の場合が多い)をこえる部分は株式の
譲渡所得ではなく、配当所得とみなされます。
会社から株主にお金を渡す行為なので税務上配当と考えているのです。
配当となりますと、売主は20%の定率ではなく、累進税率が適用されます。
つまり、所得の多いオーナーであれば最高50%の負担もあり得ます。
このようにオーナーが金庫株にする場面では売主の税負担に注意しましょう。
また、この税負担を軽減する特例があります。
相続後、相続税を支払った相続人が金庫株にした場合には、累進税率ではなく、株式譲渡の
20%の税率で良いというルールがあります。
相続後3年10か月以内に限ります。
相続税の納税資金を捻出したい場合には使い勝手が良い特例です。 -
会社に自社株を買い取ってもらって持ち株を 減らしてもいいですか?
所有している自社株の評価額が年々上がれば当然相続税の負担が重くなります。
自社株は換金しようとしてもなかなか買い手が見つかりません。
自社株が相続財産の大半を占めるような場合は納税資金の問題が生じる事もあります。
このようなケースでは発行法人に自社株を買い取ってもらう事を検討してみましょう。
発行会社が自社の発行株式を取得する事を「自己株式の取得」といいます。
また自己株式を取得するメリットとしては換金以外にも、相続等で分散してしまった株式を
会社にまとめる事が可能となる事もあげられます。
ここで注意すべき事の一つとして自己株式を取得すれば議決権の総数が減少するという事
です。
議決権の総数が減少すればそれぞれの株主の議決割合は増加する事となります。
例で見てみましょう。
【自己株取得前】
社長A600株(60%)
役員B300株(30%)
社員C100株(10%)
1,000株
↓↓↓↓↓社長A株200株を自己株として売却
【自己株取得後】
社長A400株(50%)
役員B300株(37.5%)
社員C100株(12.5%)
800株
上記例のとおり自己株の取得によって役員B、社員Cの議決権割合は増加しました。
議決権割合が変化すれば株主としての権利や自社株の評価方法も変わる事がありますので
注意が必要です。 -
法人への貸付金が多額になっています。 このままだと相続税が大変になると聞きました。
資金繰りのため個人的資金を会社に貸し付けている経営者も少なくないのでしょうか。
この貸付金が1,000万円(法人の帳簿では“借入金”)あれば相続の際「貸付金1,000万円」
として評価され相続税額が課税される結果となります。
一方で会社から返済を受けようと思っても返済可能性は低い財産です。その貸付金が
「相続財産」として評価され、相続税額を納めなければならないケースをよく見かけます。
これでは換金が困難なものに税金が課され納税に係る負担は重いものになります。
このような場合には、法人に税務上の繰越欠損金が残っていれば、繰越欠損金の範囲内で
法人への債権を放棄する事が検討できます。
繰越欠損の範囲内であれば債務免除益に対して法人税が課税されず、相続財産である
「貸付金」も減少させる効果があります。
ただし、債権放棄を行いますと既存株主への贈与が発生する可能性もあります。
例を挙げて考えてみましょう。
株主が父と子の2人で1,000株ずつ合計2,000株を保有している法人で、時価純資産が1億円
あった場合です。
父が法人への貸付金4,000万円を放棄した場合、法人は借金が無くなる事で4,000万円利益
を得たことになり、純資産(資産-負債)も4,000万増加し、1.4億円となります。
債権放棄を行う前の株価が50,000円/株が債権放棄をした後70,000円/株へ上昇します。
この増加分の20,000円×子の持分1,000株=1,000万円は父から子への価値移転であり、
贈与税の対象となります。
子は何もせず株の価値を父に上げてもらった形となるわけですから。
債権放棄は、欠損金の有無、自社株の評価、株主構成を把握したうえで慎重に行いましょう。 -
自社株の納税猶予とはどんな制度ですか? 相続税がなくなるのですか?
事業承継をスムーズに行うために、相続税や贈与税の税制の特例として自社株の納税猶予と
いう制度があります。
この制度を適用すれば自社株に係る相続税の80%部分、贈与税は全額が猶予されます。
猶予される金額を考えると大きなメリットがある方も多いでしょう。
ここで注意しなければいけないのは「猶予」であり「免除」ではない事です。
つまり一定の要件を満たさなくなった場合には猶予税額の全部あるいは一部を利子税と併せ
て納付する必要があります。
ではこの制度を適用するために必要となる主な要件を確認してみましょう。
①後継者が会社の代表者である事
②雇用の8割以上を維持している事
③後継者が筆頭株主である事
④猶予対象株式を継続保有している事
⑤経済産業大臣の認定が必要である事
これらの要件は平成25年度税制改正により緩和されました。
ⅰ)親族以外の承継
改正前は、上記①の「後継者」の要件が先代経営者の親族に限られていましたが、
親族以外の後継者が取得した場合も適用が可能となりました。
ⅱ)納税猶予打ち切り要件の緩和
改正前は上記②の雇用の維持が申告期限から5年間毎年80%以上の雇用確保する事
が条件でした。改正後は雇用の8割以上を「5年間平均」で評価する事となりました。
つまり、改正前は1年でも雇用が80%を切れば猶予打ち切りだったものが5年の平均
となるので突然の退職等にも対応しやすくなりました。
ⅲ)手続きの簡素化
改正前は上記⑤の経済産業大臣の認定に加え、経済産業大臣の事前確認手続きが必要
でしたがこれが廃止されました。
改正により要件は緩和されましたが、免除ではなく猶予であること、手続等に係る負担は未
だ重くなかなか浸透していないようです。 -
ホールディングカンパニーを作ると、株価が高くなると聞きました。どうしてですか?
関係会社をまとめて管理したり、営業力を強化するために持ち株会社、ホールディングカン
パニーを作り、グループ経営する会社が増えてきました。
ホールディング化には1つの会社が親会社となって、他の関係会社の株式を保有し子会社化
する方法が考えられます。
このような持ち株会社は資産の多くを株式が占めるため、一般的な会社と評価方法は異なり
「株式保有特定会社」として評価されます。
株式保有特定会社と判定されるのは、課税時期において有する資産の合計額のうちに占める
株式等の価額の割合が50%以上である場合となります。
この資産と株式の価額は課税時期の相続税評価額とされます。
株式保有特定会社の評価方法は、次の要素で評価した価額(S1+S2)と純資産価額の
いずれか低い金額で評価する事となります。
S1(株式等以外の資産)
評価会社の規模に応じて、株式等以外の資産を原則的評価方式を適用して計算した金額
S2(株式等)
評価会社が有する資産を株式等のみと仮定した場合に計算した1株当たりの純資産価額
会社の規模が大きいために類似業種比準価額方式により評価できると思っていたものが、
上記の評価方法を適用する事となり評価額が上がってしまう事があります。
この他にも土地を多く保有する会社「土地保有特定会社」(中会社で90%以上、大会社で
70%以上)や開業して3年未満の会社は類似業種比準価額方式による評価額が適用できず株
価が高くなる可能性があります。 -
従業員持株会を設置すると事業承継に効果的だと聞きました。 なぜですか?
「従業員にも自社株を持ってもらって会社の一員である事を意識してもらおう!」
こういった目的もあり従業員持株会を設置する会社は多くあります。
では、従業員持株会とはどういったものなのでしょうか?従業員持株会とは、会社が従業員に自社株を保有させる制度です。
上場会社では従業員の福利厚生の目的で従業員持株会を設置する事が多いようですが、非上場
会社における従業員持株会設置の大きな理由としてはオーナー経営者の相続対策を目的として
います。
従業員持株会を利用した自社株対策として、経営権に影響しない程度の株数や無議決権株式
をオーナーが従業員持株会に譲渡したり、贈与する事で、株式を社外に流出させずにオーナー
の相続財産を減らすことができます。
では、なぜ従業員持株会に渡す事が相続税対策になるか考えてみましょう。
オーナー所有の自社株は原則的評価による高い価額で評価されます。
これに対し従業員持株会の所有する自社株は特例的評価で一般的に低い価額で評価されます。
両者の評価額には大きな差があるケースがほとんどです。
例えば、オーナー所有の自社株が原則的評価方式で評価額100万円/株、特例的評価方式によ
る評価額5万円とします。
オーナーは所有する100万円の自社株を5万円で持株会に売却することで差額95万円の財産を
圧縮出来る事になります。
(オーナー一族が低い評価額で売却することに納得するかどうかの問題はありますが…。)
従業員持株会の設置、検討してみてはいかがでしょうか? -
私が所有している100株と従業員が所有している 100株では株の価値は違いますか?
自社株評価は株主の立場によって異なります。
同じ1株であっても人によって評価が変わってしまうのは不思議な感じがしませんか?
これは所有している株の議決権の割合で株主の権限が異なるためです。
例で考えてみましょう。
評価する会社に議決権割合で50%超を持っている株主グループ(同族関係者)がいるとし
ましょう。
そうすると、残りの株主グループはたとえ1人で49%持っても、株主総会では50%超の
グループには勝てません。
この場合の50%超の株主グループに属する株主全員を「同族株主」と言います。
「同族株主」は会社の意思決定を左右できる強い権限を持ちます。
「同族株主」とされると一部の例外を除き、株価は高い評価となる「原則的評価方式」で評
価されます。
逆のパターンで従業員が少しの株を保有している場合は、会社支配には関係してこない少数
株主であるため、一般的に低い評価になる「特例的評価方式」の「配当還元方式」を用いま
す。
上記のように他の株主との議決権割合の関係で自分の持っている自社株の価値は変わってし
まいます。
贈与などで長期的に株を移動させる場合は議決権割合のバランスが年々変化し、評価方式も
変わる可能性があるので、その事も踏まえて計画を立てる事が必要となります。 -
事業が好調でまだまだ株価が上がりそうです。 何か他に対策はありませんか?
会社の業績は好調に推移していて展望も明るい!
もちろんそのような状況は実に喜ばしいことです。
しかし会社の業績が上昇している事が原因で、せっかく事業承継を見据え、利益圧縮や資産
整理など、様々な手法を使って株価引き下げ策を講じても、株価の引き下げ効果がなかなか
見えません。
そんなときは思い切って会社の高収益事業を切り離してしまう方法もあります。
具体的な方法として、子会社に一部の事業部門を移管することにより分離します。
事業部門だけでなく土地などの固定資産を譲渡すれば効果はあります。
しかしながら固定資産を譲渡すれば、既存会社に対し法人税等の負担の可能性がある事や、
新しく設立された子会社は多額の購入資金が必要となります。
それを考えると移管するのは製造や営業部門のみで固定資産は賃貸にする事を検討する必要
があります。
賃貸により新たに既存会社に賃貸収入が発生します。その代わりに今まで発生していた収益
が無くなる事によりトータルでの利益圧縮ができます。
ここで注意が必要なのは、部門を切り離して別会社を作った結果、会社規模が小さくなる事
で、会社の資産構成が変わり保有している株式や土地の割合が大きくなってしまい、評価方
式が「純資産価額方式」に変わってしまう事です。
つまり大規模な会社であったため「類似業種比準価額」による低い評価が使えていたのに、
「純資産価額方式」による高い評価額に変わってしまう可能性があるという事です。
こういった事を避ける為に事業部門を切り離す前に収益だけでなく、資産構成も確認してお
く必要があります。 -
子供も従業員も会社を継いでくれそうにありません。何か他に方法はありませんか?
事業承継は3パターンに大別されます。
①親族、幹部社員への承継
②解散・精算
③M&A(=会社の売却)
親族や幹部社員に承継できない場合に、解散・清算してしまえば会社はなくなってしまいま
す。そこで働く従業員の雇用の問題にも繋がります。
他の方法は?といえば、M&A(=会社の売却)でしょう。
M&Aといえば、少し前までは「会社を乗っ取られる」など暗いイメージがありました。
ここ数年は一変して中小企業においてもM&Aが多用されるようになりました。
どのような理由でM&Aを選択するのでしょうか。
①先行き不安で子供などに継がす事が心配
②M&Aを仲介する会社が上場もし、仲介市場が成長してきた
③売り手も会社を売却して、そのお金でハッピーリタイア等の生活を
する感覚を持つようになってきた
具体的にどのように行うのかと言えば「株式売却」です。
単純に株式の売買だけで完了させます。手続きとしても非常に簡単です。
ただし「いくらで売るか」、つまり価額については難しいです。
税務上の評価があることは前提ですが、無形資産をどう評価するのか、営業権はあるのか
ないのか、隠れ借金はないのか・・・
「売り手は少しでも高く、買い手は少しでも安く」の心理が働きます。
M&Aの際にはいい条件で買い取ってもらえるように、自社を見つめ直し外部から見て買い
たいと思わせる会社になるように整理できる事は早めに整理しておきましょう。 -
長男に相続させる遺言書を作成したいと思っています。遺言書の作成にあたり、どのようなことに注意すればよいでしょうか。
よく作成される遺言は自筆証書遺言、公正証書遺言の2種類です。
それぞれにメリット、デメリットがありますが、遺言は方式が厳格に定められており、それ
に違反すると無効となることを考えると、公証人が作成に関与し違反の可能性がない公正証書
遺言を作成するのが望ましいといえます。
次に遺留分とは、遺産の一定割合の取得を相続人に保証するために、民法に定められた最低
限の相続人の権利です。兄弟姉妹以外の相続人に認められています。
遺留分は法定相続分の2分の1になります。
例えば、長男、長女、二男の3人が相続の場合、法定相続分は1/3ずつで、遺留分は1/6
(3分の1×2分の1)となります。
相続財産には遺言で相続人に分け与えた財産や生前に贈与された一定の財産も含まれます。
このため、株式をすべて後継者に相続させると他の相続人の遺留分を侵害してしまい、後に
遺留分減殺請求により、株式が分散するリスクがあります。
したがって、後継者以外の相続人の遺留分を侵害しないよう遺言書の内容を検討する必要が
あります。
【自筆証書遺言】
全文の自署、日付・氏名の自署、押印が必要です。
最も手軽に作成できますが偽造・変造や紛失、方式不備により無効となるリスクがあります。
また、遺言者の死亡後に家庭裁判所で遺言書の検認手続きを行う必要があります。
【公正証書遺言】
公証人に遺言したい内容を伝え、遺言書を作成してもらいます。
証人2人以上の立会いが必要であり、所定の費用が必要ですが、偽造や紛失のリスクがなく、
方式不備となることもありません。検認手続きは不要です。 -
息子に株を全部渡したいけど全てを任せるのは不安です。 何かいい方法はありませんか?
「自社株の評価も今なら低いし、今のうちに息子へすべて移してしまおう。でも本当に息子
に経営ができるかが心配で・・・。」
利益の圧縮や資産の整理などにより自社株の評価を抑える事が出来たとします。
このタイミングが自社株の移動の絶好の機会となります。
しかし先代社長の心配はやはり後継者に会社経営の舵取りができるかにあります。
このような場合には種類株の1つ「黄金株」を検討してみてはいかがでしょうか?
「黄金株」とは会社の重要な決定事項に対しては拒否権を発動する事ができる株です。
この「黄金株」は議決権割合とは関係なしにその「黄金株」を1株所有しているだけでこの
拒否権を発動できます。
つまり所有している自社株の大半を後継者に移して、自分は少数の黄金株を所有する事で
株の移動の問題をクリアするとともに、会社経営の重要な決定事項については先代経営者
の影響力を残す事ができるのです。
黄金株の相続税評価の算出方法は通常の株式と同じです。
拒否できる事項は定款によって定める事になります。
会社の解散、合併等の重要な事項については、黄金株を持っている株主の承認が無ければ
できない、といった事を定める事で会社経営について参画できる権利を明記する事になり
ます。
後継者が立派に一人立ちした時点で自身は会社経営から完全に退きます。
会社経営のバトンタッチができる時期まで先代の立場として会社経営を支える事を目的に
黄金株を所有する事ができます。
ここで注意点は、黄金株は大きな影響力があるので先代の死亡後に会社経営には関係のな
い人に渡らないようにする事です。 -
持っている議決権の割合でどのような事を行使できますか?
議決権の保有割合によって株主の力関係は変わります。
保有割合による権利について主なものを挙げてみます。
①議決権の全てを保有
全てを自分の意志で決定することが可能です。
②議決権の2/3以上を保有
合併・会社分割・株式交換・株式移転の組織再編、定款の変更、監査役の解任、
といった会社にとって重要な特別決議が可能です。
中小企業オーナーの場合は、できる限りこの2/3以上を保有すべきでしょう。
③議決権の1/2超を保有
過半数を持っていることで大きな力を持ちます。
取締役・監査・会計監査人の選任決議、取締役・会計監査人の解任権、取締役・
監査役の報酬額の決議、配当などの剰余金の分配といった普通決議が可能です。
④議決権の1/3以上を保有
上記②の裏返しになりますが、1/3以上を保有すれば特別決議を単独で阻止する
事が可能です。1/3以上保有する株主についてはオーナーは会社運営にあたり相
当意識する必要があるでしょう。
⑤議決権の1/10以上を保有
会社の解散請求ができます。
⑥議決権の3%以上を保有
株主総会の召集、帳簿の閲覧、役員の解任請求権があります。
⑦議決権の1%以上を保有
株主総会における議案提出権が認められます。
事業承継で所有している株式を移動していく際には、上記の行使できる内容を確認する事も
必要です。もちろん単独での議決権割合だけでなくグループとして合計した場合の議決権割
合も考慮する必要があります。 -
株主名簿をみると名前も知らない人がいます。 なぜこんな事になるのでしょうか?
長く続いている会社ほど株主が分散しているケースがよく見られます。
株主名簿を見てみると会ったこともない人の名前がある事も実務の中ではよくあります。
ではなぜ株式が分散してしまうのか?
会社には株式の移動について「譲渡制限」もあるはずなのに・・。
分散してしまった理由には主に次のケースがあります。
①株主に相続が起きてその時に分散した
株主に相続が起きれば、譲渡制限が付されてる株式であっても、相続人へ株式は
会社の許可なく分散してしまいます。
相続は長期的には必ず発生しますので、株式は放置しておけばどんどん分散して
しまいます。
②相続税の節税のために贈与しすぎた
「なるべく早く株式を贈与したい」という思いから暦年贈与の非課税枠110万円で
おい、めい、孫等々へ幅広く贈与してしまった場合です。
目先の相続税を下げる事にとらわれ過ぎた結果です。
③名義株
昔は株式会社を設立するのに最低7人の発起人が必要だったために設立の際名義を
借りてそのまま放置してしまった結果株が分散している。
株式が分散すると・・
・株式の買取請求を起こされる可能性がある。
・リーダーシップを取りにくい
…といった経営上の問題発生が想定されます。
目先の相続税だけにとらわれて、株が分散すると後継者にトラブルの種を残してしまう事に
なります。
ある程度株を集中させる必要があります。 -
会社の謄本を見ると株式に譲渡制限があるようですがこれはどういう意味ですか。
《譲渡制限が「ある株式」と「ない株式」》
会社の登記簿謄本(全部事項証明書など)を見ると「株式の譲渡制限に関する規定」といっ
た項目があります。
この規定を設けている会社は発行した株について譲渡や贈与する場合には取締役会等の承認
を受けなければならないといった制限を設けている事になります。
つまり自社株が勝手に知らない人に移動する事を防ごうとしているのです。
最近設立された会社のほとんどについては株式譲渡制限が付されています。
ただ古くから続いている会社については定款を改訂する事なく譲渡制限が無いままになって
いる事も見受けられます。
譲渡制限がついていないと会社が知らないうちに株式が分散してしまい、予期せぬ第三者に
渡ることも考えられます。
また旧商法では譲渡制限株式を譲渡したい株主は必ず「書面」で請求する必要がありました。
これが会社法にかわり「書面」でなくても「口頭」でも可能となっていますので注意が必要
です。
《株券の発行と不発行》
株券については発行する、発行しないは法人が選択できます。
会社法施行以降、株券を発行する場合のみ登記する事となりました。
つまり現在では株券を発行しない(株券不発行会社)がほとんどです。
株券を発行する事には、紛失のリスクや株券の印刷代のコストなどのデメリットがあり、現
在ではほとんどの会社が株券は発行していません。
自社の株がいまどういうルールになっているのかを登記簿謄本、定款で確認し必要に合わせ
て改定しておく事をオススメします。 -
毎年110万円の贈与ではペースがあがりません。 2,500万まで非課税な贈与があると聞きました。 どういう制度でしょうか。
「110万円の贈与ではペースが上がらないのでもっと大型の贈与をしたい」
「ただし贈与税はあんまり払いたくない」というリクエストがあります。
このような場合、2,500万円まで贈与税を支払わない「相続税精算課税制度」という制度が
使えるのか?
たしかに贈与時点では2,500万円までの財産は贈与税不要です。
ただし、落とし穴があります。
将来、贈与者が死亡した場合の相続税の申告においては、この制度を利用して贈与した財産
は何年前、何十年前であっても、相続財産に加算して相続税を計算し、相続税が発生すれば
納税する仕組みです。
つまり、将来の相続税に先送りしている制度です。
その他注意点は・・・
・1度選択すると暦年贈与110万円まで非課税の制度は利用できない
・2,500万円を超えた贈与は一律20%の贈与税負担
・贈与時点で支払った贈与税は相続税の際に引いてもらえる
・65歳以上の両親から20歳以上のお子様のみが適用できる
(平成27年以降は60歳以上の両親、祖父母から20歳以上の子、孫へ拡充)
・将来の相続税計算の時には贈与時点での価額をそのまま使用する
この制度はどう利用したらよいのでしょうか。
単純に贈与しても相続税の節税には繋がりません。
ミソは将来の相続税は贈与時点での価額で再計算されるところです。
つまり、将来必ず値上がりする資産の贈与や収益物件の贈与が効果ありです。
自社株も将来必ず値上がりする(??)のであれば・・・
医療法人の出資持分は多くが値上がりするので踏み切りやすいと思います。
また、どうしても相続よりも早い段階で所有権を確保したい資産がある場合にはこの制度で
贈与を受けておくことができます。
一旦贈与税を支払ったとしても、将来の相続税でその分は引いてくれます。
また納め過ぎであれば還付もしてくれます。 -
自社株を贈与したいのですが、どのタイミングがよいですか?
自社株の評価は会社の純資産や利益によって年々変化します。
大きな損失が出た時は自社株の評価が下がり、株式移動の絶好の機会となります。
しかしながら故意に損を出すことは会社経営にとってもちろん良いことではなく、従業員や
取引先の信用を失いかねません。
では会社として損が出やすいのはどのタイミングでしょうか?
タイミングの一つとしては「役員退職金」を支給した時です。
役員退職金は、その金額が過大でない限り、法人として損金の額に算入することが認められ
ています。
役員退職金を支給することで、次のような効果を生むことができます。
①類似業種比準価額方式で用いる利益の金額が大幅に圧縮される
②自社株を純資産価額方式で評価する場合に、純資産額が減少する
③退職金をもらう役員は、退職所得として課税され比較的税負担が少なくすむ。
④会社の利益と相殺されるため、法人税の負担が少なくて済む。
⑤決算書上は「特別損失」と表示され、銀行の評価が下がるリスクも少なくなる。
その他に評価を下げる方法としては、一般的な相続税対策と同様不動産の購入が考えられ
ます。
家賃を支払って事業を行っている場合、思い切って自社ビルを購入する事で土地は路線価、
建物は固定資産税評価額に基づく評価となるため、純資産価額を圧縮することが期待でき
ます。
ただし、法人の購入した不動産については購入から3年間は取得価額で評価しなければいけ
ません。3年間圧縮効果が出るのを待つ必要があります。
もちろん購入資金を調達するために金融機関から借入を行う場合は、その後の返済計画につ
いても慎重に検討する事が必要になります。
自社株の評価額を下げる事だけに力が入って会社本体の体力が失われてしまっては元も子も
ありません。
慎重な判断が必要ですが、評価が下がった時には大胆に株式移動をする決断も重要です。 -
自社株の評価は計算できました。いくらまで贈与すればいいですか?
「相続税対策」とは何でしょうか。
より少ない税負担で後継者に財産を移すことです。
自社株もまず考える方法論は贈与でしょう。
ではいくら贈与すればいいでしょうか?
一般の贈与「暦年贈与」で基礎控除は年間(1月から12月)で110万円です。
110万円までは贈与しても税金はかかりません。
しかし、多くの財産をお持ちの方は「110万円贈与なんて焼け石に水」「多額の贈与なら
贈与税は重すぎる」と考えます。
そこでおすすめしたいのは310万円贈与です。
ここで生前に310万円を贈与するとどうなるか具体的に考えてみましょう。
310万円を贈与したときの贈与税は20万円になります。
贈与財産310万円に対してこの贈与税額20万円の割合は約6%です。
これに対し相続税の最低税率は10%です。
相続税は最低税率10%なので310万円の財産が減少すれば31万円の相続税が減少します一方
で生前贈与なら上記の通り贈与税は20万円です。
後払いなら31万円の相続税、前払いなら20万円の贈与税と考えられます。
相続税は累進税率ですから相続財産が多ければ310万円贈与は110万円贈与に比べて
更に有利になります。
財産がたくさんある方は何も110万にこだわる必要はありません。先に税金を払っておいた
方が得なケースがあります。
生前贈与する事を検討してみてください。
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子供たちに自社株を渡したいと考えています。どんな方法がありますか?
売却するか、贈与するか、大きく2通りを検討してみましょう。
「売却」の場合は売主に譲渡税、買主に買い取り資金の準備の問題があります。
「贈与」の場合はもらった方に贈与税の負担が発生します。
①生前贈与
贈与でまず考えることは暦年贈与。
つまり、110万円の贈与税非課税の枠を活用し贈与を行う方法です。
とはいっても「会社設立時の発行価額で贈与」と簡単にはいきません。
現在の自社株の贈与は時価によって行わなければなりません。
ここで言う時価とは先にご紹介した評価方法によって決定していきます。
②誰に贈与?
相続人で子が3人いる場合で、とりあえず自社株を生前に減らしたいから3人均等に贈与…。
これでは株の所有が分散してしまいます。
後継者を定めその方に株が集中するよう贈与する必要があります。
③贈与はいつ行うべき?
生前贈与は死亡した日から3年以内に行った贈与は相続財産に含めて相続税が課税される
という落とし穴があります。
亡くなる直前にあせって贈与しても税金的には効果がないという事です。
また、一気に贈与を行えば贈与税の負担が大きくなる事も考えられます。
なるべく早めに計画的に行う事が重要になります。
④書面で贈与意思を証明する
実際に株を贈与することになった時には書面で形式を整えましょう。
きちんと渡す意思、受け取る意思があった事を贈与契約書に残す、会社に対して譲渡
承認申請を行う等々で後のトラブルを回避しましょう。
スムーズな事業承継、税金的に利口な事業承継のために、早めに時間をかけて対策する事を
お勧めします。 -
会社の規模によって株価が変わりますか?
会社の規模によっては自社株の評価に大きな差が出ます。
[類似業種比準価額方式による1株評価額1,600円・・・A]
[純資産価額方式による1株評価額3,000円・・・B]
①大会社1,600円(A)×100%=1,600円
②中会社(大)1,600円(A)×90%+3,000円(B)×10%=1,740円
③中会社(中)1,600円(A)×75%+3,000円(B)×25%=1,950円
④中会社(小)1,600円(A)×60%+3,000円(B)×40%=2,160円
⑤小会社1,600円(A)×50%+3,000円(B)×50%=2,300円
上記のように会社の規模によって①~⑤に分類され、差異は最大約140%となります。
なぜこのような差が生まれるのでしょうか?
同族株主が取得した株式は原則として会社の業績や資産の内容を株価に反映させる原則的
評価方式の「類似業種比準価額方式」と「純資産価額方式」があり、この二つの方式の
「併用方式」になります。
どちらかの評価方式へ比重が傾く事で上記の様な差が生まれます。
会社の規模は「純資産価額」「従業員数」「取引額(売上高)」によって5つの区分にされ
ます。
【会社規模】【評価方法】
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大会社類似業種比準価額
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中(大)類似業種比準価額×90%+純資産価格×10%
会(中)類似業種比準価額×75%+純資産価格×25%
社(小)類似業種比準価額×60%+純資産価格×40%
------------------------------------------------------------
子会社類似業種比準価額×50%+純資産価格×50%
------------------------------------------------------------
一般的に業績のよい会社の場合、類似業種比準価額の方が純資産価額より低くなります。
そのため「大会社」へサイズアップしていけば、類似業種比準価額の比重が高くなり評価額
は低くなる傾向にあります。 -
配当還元方式ってどうやって計算するのですか?
自社株は、「原則的評価方式」と「特例的評価方式」により評価されます。
このうち、特例的評価方式は少数株主等に適用される評価方法です。
特例的評価方式は「配当還元価額」という方法によって評価を行います。
配当還元方式とは、過去2年間の配当金額を10%の利率で還元(割り戻し)して株式の価額を
求めようとする方式です。
計算式は以下の通りです。
1株当たりの配当還元価額=年配当金額(注1)/10%×1株当たりの資本金等の額/50円
(注1)年配当金額は直前期と直前々期の平均額となります。
具体的な金額で計算してみましょう。
【例】
直前期の配当金額100円
直前々期の配当金額200円
1株当たりの資本金等の額500円
以上の金額を上記の計算式に当てはめます。
1株当たりの配当還元価額【15,000円】=年配当金額【150円】(注1)/10%×1株当たりの資本金等の額【500円】/50円
(注1)直前期と直前々期の配当平均額=(100円+200円)÷2=150円
少数株主は、株式の所有を通じて会社を支配する事はできません。
そのような少数株主は会社からの配当を期待する程度の価値しかない事となります。
そのため、上記のように配当金額を基に評価を行います。
配当還元方式による評価額は原則的評価方式に比べ低くなることが一般的です。 -
純資産価額方式ってどうやって計算するのですか?
自社株評価の原則的評価の一つとして純資産価額方式があります。
自社の保有する資産・負債を時価に評価して1株あたりの評価額を算定します。
具体的な金額で確認してみましょう。
評価する会社の貸借対照表をもとに時価評価を行います。
帳簿価額単位:万円
【資産】金額【負債】金額
現預金200買掛金500
棚卸資産300長期借入金4,000
土地3,000負債合計4,500
建物2,000
有価証券200純資産1,500
保険積立金300
----------------------------------
借方合計6,000貸方合計6,000
↓↓↓↓↓時価評価↓↓↓↓↓
時価評価単位:万円
【資産】金額【負債】金額
現預金200買掛金500
棚卸資産300長期借入金4,000
土地2,400負債合計4,500
建物1,000
有価証券400純資産300
保険積立金500
----------------------------------
借方合計4,800貸方合計6,000
時価評価の方法は相続税の評価額の算定と同様です。
・土地⇒路線価で評価・建物⇒固定資産税評価
・有価証券⇒評価時点の時価・保険積立金⇒評価時点の解約返戻金
時価評価した後の純資産価額を発行済み株式数で割り、1株あたりの評価額を算定します。
例えば発行済み株式数を1万株とすると、
300万円(時価純資産)÷発行済み株式数1万株=300円(1株当たりの評価額)
となります。
決算書上の簿価純資産は1,500万円あり、1株1,500円の価値があるように思えますが、時価
純資産は目減りしています。
時価評価により評価益が生じる場合には、含み益から法人税相当額を控除する事ができます。 -
類似業種比準価額方式ってどうやって計算するのですか?
自社株の原則的評価方式の中に類似業種比準価額方式があります。
自社の3つの要素(配当、利益、純資産)と同業法人の3要素を比較することによって株価を
算出していきます。
3つの要素の中でも「利益」は他の要素の3倍の比重が置かれています。
ですので、利益が低い年度は株価も低くなる傾向があります。
具体的な金額で計算してみましょう。
[例]
*評価会社は「小会社」とします。
*類似業種株価A:200円
<類似業種の1株あたりの各要素の金額>
B(配当):50円C(利益):100円D(純資産価額):500円
<自社の1株あたりの各要素の金額>
Ⓑ(配当):40円©(利益):250円ⓓ(純資産):300円
以上の金額を計算式に当てはめます。
A(200円)×{Ⓑ40円/B50円+Ⓒ250円/C100円×3+Ⓓ300円/D500円/5}×{小会社0.5}=178円
*Aは類似業種の株価(国税庁から発表されます)
*「×小会社0.5」は大会社なら×0.7、中会社なら×0.6
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自社株の評価はどのように決まるのですか?
「いま会社の株はいくらだろう?」と思っても実際に自社株の評価を把握されている経営者
の方は少ないのではないでしょうか?
自社株評価の方法は大きく2通りに分かれます。
(1)原則的評価方式①類似業種比準価額方式
②純資産価額方式
(2)特例的評価方式配当還元方式
(1)原則的評価はオーナー一族に採用され、(2)特例評価は少数株主に適用される
イメージです。
この中から(1)原則的評価方式の「類似業種比準価額方式」と「純資産価額方式」に
ついて説明します。
①類似業種比準価額方式
自分の会社の「配当・利益・純資産」の3要素(比準要素)を上場企業のそれと比較
することで株価を算定します。
この配当・利益・純資産の要素の中でも利益については配当・純資産の3倍の比重があり
ます。つまり利益が株価に与える影響は大きいものとなります。
上場企業の株価が基礎となる為、一般的に景気がよければ評価額も上がり、不況となれば
評価額は下がります。経済状況によって自社株の評価額も上下する事となります。
基準となる企業の株価は国税庁HPにより公表されます。
②純資産価額方式
会社のB/Sを時価評価し、「資産」から「負債」を差し引いた「純資産」から算定しま
す。例えば決算書上は資産が大きく計上されていても、バブル期に購入した土地があり
時価で評価してみると含み損がありマイナスになってしまうような会社もあります。
原則的評価方式は、上記の2つの評価方式によって求められた評価額を9:1や6:4などの比重
をかけて併用して算定します。
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会社経営を次の世代に移すつもりです。 事業承継には具体的にどのような問題がありますか?
会社を創業しさまざまな試練を乗り越え会社は順調に成長しました。
次に考えなければならない事は何でしょうか?
それが「事業承継」です。
いつまでもオーナーとして経営に携わっていきたい。
しかし年齢的な問題などを考えれば次世代へのバトンタッチである事業承継は経営者として避けて通れない道です。
では、事業承継にはどういった方法があるのでしょうか。事業承継の方法を考えてみましょう。
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①後継者に事業を承継
②会社自体を売却(M&A)
③廃業
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この中でも中小企業では親族である子を後継者として事業を承継する事がほとんどです。
事業を承継する時には2つの課題があります。
1つ目の課題として「経営権の承継」、つまり代表取締役の交代があります。
先行き不透明な時代の中で経営を任せる人材として適当なのか、従業員の生活を守っていけるのか等々経営者としての資質の問題です。
2つ目の課題として考えるべきことが「財産権の承継」です。
こちらも1つ目の課題と同様に容易ではありません。
財産権の承継とは具体的に何でしょうか?
それは株式の承継や事業用資産(不動産等)の承継です。
後継者が社長の座を承継しても株式を所有しなければ実質的な経営者とは言えないでしょう。
自社株の移動の際には下記の問題が挙げられます。
①自社株も相続財産となり相続税が課されます。
自社株という現金化できないものに税がかかるため、納税資金の問題も発生します。
②相続の際に複数の相続人に株が分散してしまい、会社経営の意思統一が図れないなどの問題が起こるケースも多くあります。
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自社株って何が問題なのですか?
中小企業では経営者が自社株の大部分を所有しているケースがほとんどです。
株価が高額になっている会社の場合はさまざまな問題が生じます。
自社株が抱える問題を3点挙げてみます。
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①相続税負担と納税資金の問題
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順調に利益を出してきた会社の株価は高額になり、相続税負担も重くなります。ただ自社株は売却してお金に換える事が困難です。つまり換金性の低いモノに相続税がかかるため、納税資金が不足するケースが生じます。
納税資金を調達するために株式発行会社へ株式を売却するケースも多くみられます。そうなれば事業を承継した相続人は会社にお金が不足している状態で経営をスタートする事になってしまいます。
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②遺産分割問題~議決権の分散の問題~
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相続財産は遺言書がない場合は相続人間で遺産分割協議が必要です。
例で見てみましょう。
自社株総額2億円、その他の財産1億円の合計3億を子3人で1/3ずつ相続します。
法定相続分によれば後継者は自社株1億円しか相続できません。つまり自社株の50%しか所有できず、他の相続人が残りの50%を所有してしまう事になり、円滑な会社経営に支障をきたす事になります。また、後継者が自社株2億円を相続した場合は他の2人の相続人の権利が侵される事となり、代わりとなる財産を要求される展開も考えられます。
分散してしまった株を買い取るために会社からお金を調達し、株を集める事も考えられますが、これも会社の資金が流出する結果となり今後の経営が不安定になります。
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③会社の後継者の財産が自社株のみになる問題
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後継者が自社株だけを相続する事になり、不動産等の資産を所有する事ができなければ
金融機関や取引先に対する個人保証ができず信用力が大きく低下してしまいます。
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事業を承継し、新たに経営を任せられる後継者は心の負担も大きいものです。
せめてお金の負担は最小限に抑えられるような生前の対策が必要になります。
よくある質問と解決策
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